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無題 - 霧
2009/05/24 (Sun) 10:27:11
夜の街。というのはみんな寝静まって誰も居ないもんだと思う。が、実際には良くも悪くも騒がしいものだ。居酒屋で酒を飲みまくって酔っ払ったオッサンやカラオケに入り浸って夜更かししている学生たちに喧騒が耐えない。「天〇天下唯我独〇!!!!主役は〇様!!!そ〇だろ!!!」的なこっぱずかしいことを叫んだりしているどっかの誰かさんみたいなやつがたくさんいるんだ。なんでか。いなければいいのに……と、まぁ考えてもどうにもならないことを頭から払拭し俺はその中を疾走する。凶器片手に。
 しばらく人に見つからないように走っていたら、いきなり目の前に車が走りこんできて、急ブレーキをして俺の前に止まった。俺の足先数センチの所に。殺す気かあのやろう。
 「おいおい。今回のは物騒だな。そんなモンそのまま持って走るなよ。俺ら関係者以外に見られたら確実に警察に通報されるぞ」
 その車から何事もなかったように降りてきた蓮がもっともな事を言った。それを言ったら元も子も無いだろうが……
 「うるさい。仕方ないだろ。今回のは大物っぽいから武器だって大型なんだろうよ」
 「なるほど」
 「なら、俺は行くぞ。ぱっぱと終わらせて寝たいんだ」
 「ああちょっと待て」
 「なんだよ」
 「朗報だ。今回はお前の望みどおり早く終わるかもな」
 「それは?」
 蓮はニヤリとして言った。



 「獲物の居場所がわかったぞ」
 
 

ハザマの向こう/2 - 霧
2009/05/17 (Sun) 19:26:30
    「死体インフォメーション」
 
 〇N市の森の中で他殺死体 男 
 死体の損壊が激しく、顔の判別不可。腹周辺は食われたような損壊あり。みたいな♪大方PHASE1によると思うよ?

 〇R市市内の橋の下で他殺死体 女?(ニューハーフかも?)
 橋の下でうつぶせに倒れているところをそこに住んでいる人に発見される。腹は前者と同じく食われいる模様。同じくPHASE1だと思う

 〇Y市郊外の廃工場にて他殺死体五体 全員男
  工場内のプレス機近くにて発見。今度は腹を引き裂かれ心臓のみ食われていた模様。今度のは多分PHASE2の可能性大だよ♪
           ・
           ・
           ・

 これらの事についての調査・解決・殲滅を依頼する。報酬は300万。失敗したら……わかってるよね?


 俺は一通り目を通すと頭を抱えて資料を呆れて床に落とした。
 ……ふざけてるのか?
 死体についての資料に「みたいな♪」なんてつけるか?フツー。
 いや……あいつに常識を求めることは不可能か。あいつに常識を持たせれたら俺はそいつの前で腹踊りだってしてやるさ。と、こんな不毛なことを考えてる場合じゃなかった。ぱっぱと今度は蓮がウチに捨ててった資料に目を通さないといけない。
 正直、億劫だ。と心のそこから思いながら、俺はたまたま目についた血の跡がべっとりとこびりついた鏡を手に取り、「視」た。

『う……ば……化け物……いやだ……死にたくない……シニタクナイヨ……いやあぁアアアアァァァッァアアァッァアアァアア!!』

 「くっ……」
 「視」終わったあとに俺は軽いめまいに襲われる。眼を使うと起きるいつもの事だが、一向に慣れない。
 この目を使って「視る」のは普通の光景じゃない。俺の「眼」は人の死ぬ間際の光景を周りにあった物から読み取り、「視」る。つまり物に残った人の「残留思念」を「視」るわけだ。
 今の光景は切り裂かれて殺されるところだった。
てことは、奴らの武器の形状は刀、もしくはそれに準じる物になる。多分。今のはほとんどもやがかかっているようなものではっきりとはわからなかった。
 ただ、わかった事は、今回の化け物――――俺たちは「ジョーカー」と呼んでいる――――はどうやら切り裂いて殺す趣味の奴らしい。 ジョーカーは殺した人間の肉を食い、進化する。そして、それはPHASE1からPHASE3まである。PHASE1では人間の腹の肉を。PHASE2では心臓を。そしてPHASE3は人間の脳を食べて進化する。
 PHASEが進むにつれてジョーカーは強くなる。ちなみに形状はさまざまだ。見ただけで化け物とわかるような奴から、人間の姿をしてるものまで。
 だが、俺の眼は残留思念を読み取ることによって武器の形状、容姿等を調べることが出来る。 
 はぁ、と俺はちょっとため息をつき、後ろを首だけで振り返った。そこにあるのはまだまだ積みかさなったこの眼で視るべき物達。
 こんな光景を今回は一回二回じゃなくまだまだ視なければならないなんて……。発狂しそうだよ畜生。
 


 「や……やっと終わった……」
 俺は最後の物を「視」終わった後、床にぶっ倒れた。
 視た結果でわかったのはこのジョーカーは切り裂く趣味があること、相当数の人間を既に殺していること、そして、殺した人間の腹を食って「PHASE2」に進化してしまっていること。だ。
 「はぁ。行くか」
 俺は傍らにある「今回の武器」を手に取り、夜の街に繰り出して行った。



 
ハザマの向こう - 霧
2009/05/03 (Sun) 23:37:20
 いったい何なんだこれは。
 全く理解ができない。
 怪しげな紋様が刻まれている木の板やら壺やらが俺の部屋一面に転がっている。
 記憶をどう遡ってもこんな物を大量に買い込んだ憶えはない。大体もとより何かを集めるといった事があまり好きではないのだ。
 なのに、ひとたび現実に目をやればこの有様。
 嫌がらせか?あのやろう……。
 仕事から帰ってきてドアを開けて次に目に入った光景がこれ。嫌がらせ以外の何だと言うのだろうか。せっかく依頼をこなして来たってのに依頼人から嫌がらせを受ける仕事ってのは最悪だな。
 やめちまいてぇ……。
 「おいおい。辞めたいなんて思うなよ?お前がいないとこっちは大いに困るんだからな」
 いつの間に後ろにいたのか、俺の雇用主みたいなものである藍川蓮がつったっていた。
 勝手に心を読むなっつの。
 「だったらこのガラクタの山は何だ。ぱっぱと片付けないと本当に辞めるぞ」
 そりゃ困った、と両手を上にあげてやれやれのポーズをした蓮は自分の家かのように無作法に家に入ってきた。
 「汚っねぇな。こんな物溜め込んでたらなんかそのうち出てくるぞ?狭」
 原因はお前だろうが。
 「そんな怖い顔するなって。事が済んだら全部片付けてやるから」
 「今すぐ片付けろ。じゃないとお前の依頼を俺は拒否するぞ。俺には表の仕事も一応あるんだからな」
 こんなごっちゃごちゃした空間で俺は生活したくない。キレイ好きだから。
 「何が表の仕事だ。ほとんど儲かってねぇくせに。お前の生活費はほとんどコッチの仕事だろうが」
 クソ……ムカつく……。
 だが、そう言われると返す言葉が無い。
 俺はとある小さな喫茶店を営業しているが、ほとんど客が来ない。一応店を維持できるくらいには稼ぎはあるが、生活が十分に出来るほどには稼げていない。
 俺はチッと舌打ちをし、ガラクタの山に埋まっていた椅子を引っ張り出し腰掛けた。       「で、用件は何だ?お前がウチに来るんだからあれ
系統の仕事だろ?」
 「ご名答だ」
 蓮はおちゃらけた口調で答えた。
 俺はため息をゆっくりとし、たまたま近くにあったどっかの原住民族の仮面みたいな物を後ろに放り投げた。ごしゃって音がしたから何か当たって崩れたかもしれない。
 「おいおい。そんな乱暴に扱うなよ。そりゃ今回の仕事の資料なんだから、さ」
 「は?これ全部がか?」
 「そうだ。これ全部が資料だ」
 俺は一瞬わが耳を疑ったね。決して広いとは言えないが一人で住むには十分すぎる面積をもつ部屋の大半を埋めつくしている物全部が資料だなんてさすがに無かったから。
 面倒くさい仕事になりそうだ……。
 「そんなあからさまに嫌な顔するなよ。見返りはちゃんと払うからさ。頑張ってくれや」
 「そうじゃないと割に合わん。俺はこんなもの使いたくはないんだ」
 俺は左目に手をあて、忌々しげに呟いた。
 この深海のように蒼い目のせいで俺は――――
 「そこは我慢してくれ」
 蓮はちょっと自嘲気味に言うと、懐から何枚かの紙がとじられた冊子を取り出した。
 「これが今回の依頼の内容だ。しっかり頼んだぜ?狭」
 蓮は冊子を投げて寄こすと、腕を後ろを向いたまま振りながら帰っていった。
 「今回は特別やる気起きねぇな……」
 俺は軽く憂鬱になりながらも、依頼の内容に目を通す事にした。